業界先駆者としての功績③
山根清義(初代 株式会社山根商店 創業者)
「創業者が提起した。作業設備優先と福利厚生とプレゼンス」
いち早く新たな新風を巻き起こし、業界をけん引していく山根清義(創業者)は作業設備優先を軸とし、なおかつ今でいうところの会社の顔である事、プレゼンスを社員にも持つように促した。時には労働組合運動にも寛容な姿勢を認めつつも、作業効率化と合理化を図り、残業時間を大幅に減少(すなわち無駄な時間の使い方を見直し)など、経営者としての手腕を発揮した。
「創業者の自信がみなぎる 社員がいつでもやめるには会社の欠陥」
会社で作業設備が充実してくると、機械化により作業時間が圧倒に減少する。それに伴い業績も右肩上がり、臨時ボーナスを支給。また、福利厚生面として社内運動会などの行事を行うなど余裕も出てきた。社内も充実し安定期を迎えてきた。そんな中、そこで終わらないのが創業者。時代と共に人材に対してのモチベーションと意識改革にも注力することとした。清義氏の経験上、福利厚生ばかりにとらわれては、人材の流出を防ぎきれないと判断し、ボーナス支給額の回数を増やし、支給額の見直しを図ると共に、社内モチベーションを保つように注力。日頃から、社内に目を配り、社員の何気ない会話やヒアリングしリサーチし続けた。
「こんな会社いつでも辞めてやる」から「辞めろと言われたら困る」
と、いうような会社にしないといけない。という会社のブランディングを構築しているのが、1968年当時の取材記事から見てとれる。記事内容のところどころに社内全般に山根商店で働いてるんだというプライドが浸透しているように見受けられる。それだけに清義氏の社内改革の自信は揺らがない。
「創業者が提唱 今後の問題点 ヤード・加工はうまくやれている。 課題は引き取り」
高度成長期が進むにつれて、業界自体も今までにない伸長率となった。各業界では、その流れに便乗するかのように、機械化導入の推進、作業効率化を求め改革に乗り出していった時代である中、清義氏は、その先を見据えていた。
当時、いち早く大型油圧シャーの導入、ヤードの拡張拡大、人材への課題の取組などを革新し、トップを走っていたと考えられる。業界内においては、ヤードに持ち込んだ後の処理・加工については大体うまくやっていけている。
問題は引き取りと。これは昔からあまり進歩していない事にフォーカスを当てていた。マグネットと「つかみ」の両機能が備わっているものがいいと当時の取材記事に提唱していた。
次回へ続く